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株式会社アクセルスペースホールディングス402A

東証グロース

輸送用機器

目次

中村友哉氏(以下、中村):みなさま、こんばんは。アクセルスペースホールディングス代表取締役の中村友哉です。この度はご参加いただき、誠にありがとうございます。上場後初めてのオンラインセミナーです。短い時間ではありますが、当社の思いや事業についてご紹介します。

本日はスライドの3点についてご説明し、その後、Ken氏に深掘りしていただきます。

本日お伝えしたいこと

中村:本日お伝えしたいことは、以下の3点です。1つ目は、当社は小型衛星を使った2つの事業を展開している会社です。2つ目は、それらの衛星開発を通じて、短期間かつ低コストでの小型衛星製造において競争優位を持つ会社であることです。3つ目は、直近発表した大型案件を含め、今後さらなる事業拡大を目指していくことです。

アクセルスペースの起源

中村:事業のご説明に先立ち、創業前から現在に至る歩みをご紹介します。当社は、東京大学および東京工業大学(現・東京科学大学)における超小型衛星開発プロジェクトの成果をもとに創業しました。2003年に両大学はそれぞれ、1辺10センチメートル・重さ1キログラムという当時世界最小の人工衛星の打上げに成功しました。

私自身、もともと宇宙に興味があったわけではありませんでしたが、学生で衛星開発に携われることに強い興味を抱き、宇宙工学の世界に飛び込みました。研究者になるつもりはなかったものの、衛星開発が非常に楽しくて博士課程まで修了したため、衛星開発には合計6年間携わりました。

起業のきっかけは、衛星搭載カメラ開発の担当となったことです。美しい地球の画像を撮影できた際に「多くの人にこの画像を届けたい」と考え、プロジェクトマネージャーから画像配信サービス開発の許可を得ました。配信システムの開発は、私が1人で行いました。打上げ後、地球の画像撮影に見事成功し、その際に撮影したものがスライド中央上の画像です。

配信サービスを開始したところ、思いがけず多くの方から応援や激励のメッセージをいただきました。それまで自分一人で開発の楽しさを感じているだけでしたが、外部の視点の重要性に気づくきっかけとなり、宇宙の社会的意義について考えるようになりました。ただし、当時はまだ起業するという発想には至りませんでした。

卒業後は就職を考えており、小型衛星開発を自分の仕事にすると心に決めていたものの、当時はそのような事業を行っている企業がなく、恩師に相談したところ、「研究室で準備を進めている大学発ベンチャーでやればいいじゃないか」と助言をいただき、二つ返事で「やらせてください」とプロジェクトに参画することを決意しました。その後、1年半の準備期間を経て、2008年に4名で創業しました。

このように、当社は熱意と思いの強さから誕生しました。

沿革

中村:スライドは沿革です。当社は、ウェザーニューズからの北極海観測用衛星の受託開発から事業をスタートしました。以来、2019年にはスタートアップ企業として初めてJAXAから衛星開発・運用の委託を受けるなど、実績を積み重ねてきました。これまでに11機の衛星の製造・打上げ・運用の実績があります。

ビジョン・ミッション

中村:創業後まもなく掲げた「Space within Your Reach~宇宙を普通の場所に~」というビジョンは、17年たった今でも当社の心の拠り所です。大学院時代に感じた原体験を胸に、宇宙を誰もが当たり前に使える新しい社会インフラとして普及させることを目指しています。

ここまで、創業前のストーリーと、当社が大切にしている思いについてお話ししました。

会社概要

中村:ここからは、現在の当社の事業についてご説明します。スライドは会社概要です。東京日本橋にある本社にはクリーンルームを併設し、実際に衛星を組み立てています。社員は約190名、そのうち100名以上がエンジニア、3割以上が外国籍であることも特徴です。社外取締役には、アジア人初の女性宇宙飛行士である向井千秋氏にも参画いただいています。

当社の強み

中村:当社の最大の競争優位性は、小型衛星の設計から製造・運用までを低コストで実現できる点にあります。従来、政府が手がけてきた1トンを超える大型衛星を作る場合には、100億円単位の資金が必要とされていました。一方、当社は100キログラムから300キログラムクラスの小型衛星開発を主力としています。

一例を挙げると、地球観測衛星「GRUS」は約150キログラムで、洗濯機ほどの大きさです。また、「GRUS」と同程度の衛星は、打上げ費込みで7億円程度のコストで製造可能です。衛星を低コスト化することで活用の幅を広げられると考え、優位性を磨いてきました。低コスト化を実現するため、独自の設計基準と製造にこだわり、創業当初から宇宙専用ではない部品を積極的に採用することでコスト削減につなげてきました。

当社の事業

中村:当社は現在、2つの事業を展開しています。

スライド上側のAxelLiner事業は、お客さま向けに衛星を製造し、運用するサービスです。創業時から特定のお客さま向けの専用衛星開発事業を進めてきましたが、より多くのお客さまに早く・安く衛星を活用いただきたいという思いで事業を再定義したものが、現在のAxelLiner事業です。衛星設計を汎用化し、設計から運用までをワンストップサービスとして提供しています。なお、国内の政府系機関への売上高が99パーセント以上を占めています。

スライド下側のAxelGlobe事業は、自社の光学地球観測衛星から得られる画像データを販売し、そのデータを活用したソリューションサービスを提供しています。当社の光学地球観測衛星とは異なる、合成開口レーダー(SAR)と呼ばれるレーダー技術による地球観測事業を展開している衛星事業者2社が先行して上場していますが、衛星画像を販売するという点では当社と近しいビジネスモデルです。

一方、光学衛星はSARと異なり、国内外の民間企業や政府系機関など、多様な属性のお客さまにご利用いただいています。光学衛星とSARの違いについては、後ほど詳しくご説明します。

AxelLiner事業

中村:AxelLiner事業では現在、「Kプログラム」という政府委託研究に取り組んでおり、光通信技術の実証を目指しています。

宇宙空間に存在する衛星は、地上局と呼ばれるアンテナを設置している場所の上空を通過する際にしか通信できません。そこで、衛星間をレーザーで通信できるようにし、地上局のある場所までデータをバケツリレーのように送る仕組みを開発しています。これは、衛星とほぼリアルタイムで通信が可能となる画期的な技術と考えており、将来に向けて着実に技術を習得していく方針です。

AxelGlobe事業

中村:AxelGlobe事業では、現在5機の光学地球観測衛星を運用しています。光学衛星は、デジタルカメラを宇宙へ持っていったと考えるとわかりやすいと思います。私達の目で見たとおりの画像を取得できます。

AxelGlobe事業の事業領域:光学衛星とSAR衛星

中村:先ほどお話ししたとおり、地球観測には光学衛星の他にSARという種類があります。よくご質問いただくため、違いをご説明します。スライド右側のSAR衛星は、自ら強力な電波を発射し、地表で跳ね返ってきた電波を用いて画像化します。昼夜や天候を問わず撮影が可能な点が特徴です。

一方、スライド左側の当社が展開する光学衛星は、太陽光の地表での反射を受動的に観測します。雲がかかっている場所では観測できませんが、自ら電波を発する必要がないため、観測機器の構成がシンプルになり、製造コストを抑えることが可能です。また、撮影に必要な電力やデータ量が少なく、より広範囲を撮影できることから、データ提供も比較的安価に行えます。

これらの違いを踏まえ、SAR衛星は主に安全保障を中心に活用されていますが、光学衛星は安全保障以外にも、農業のように広範囲を高頻度で観測する場面でも利用されています。

「SARは光学技術の発展系なのか?」という質問をいただくこともありますが、対応ニーズも技術も異なるため、「どちらが優れているか?」という議論は適切ではなく、両者は補完関係にあると当社では認識しています。

衛星自体を販売する事業と衛星から撮影したデータを提供する事業の2つが、当社で展開している事業です。以上、現時点でのビジネスについてご説明しました。

AxelLiner事業の中長期の成長イメージ

中村:ここからは、事業ごとに注目すべき戦略をご紹介します。衛星自体をお客さまに提供するAxelLiner事業では、研究開発活動と顧客である民間企業の獲得に注力しています。

AxelLiner事業の成長:①継続的な技術開発の例

中村:先ほどご紹介した「Kプログラム」と同様に、当社が目指す技術に関しては、宇宙戦略基金などの政府支援も活用しながら開発を進めていきます。

AxelLiner事業の成長:②軌道上実証サービス「AxelLiner Laboratory」

中村:AxelLiner事業では、宇宙機用コンポーネントメーカー向けに「AxelLiner Laboratory」(通称、AL Lab)というサービスを提供しています。

新しい薬を世の中に出す際に治験が必要であるように、宇宙機用の部品も本当に宇宙で動作するのかを確認するステップが非常に重要です。衛星を製造するには数億円から数十億円の費用がかかり、製造した衛星が宇宙で正常に作動しなければ、多大な損失につながります。そのため、ロケットや人工衛星に使用される部品が宇宙で実証済みであることには、非常に大きな価値があります。

しかし、宇宙向け機器を開発するメーカーにとっては、発売前に宇宙で実証する機会がほとんどありません。そこで当社は、宇宙での実証機会自体をサービスとして提供します。このサービスにより、メーカーが安心して宇宙機用部品を市場に供給できる環境を整え、民間企業が多く参入する宇宙コンポーネント市場の拡大に貢献します。

このサービスについては、本日公開した「note」で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

AxelGlobe事業の中長期の成長イメージ

中村:次に、AxelGlobe事業についてご説明します。当事業では、安全保障需要の獲得と新たな民間ニーズの創出が重要になります。

AxelGlobe事業の成長:①民間企業へ顧客層拡大

中村:当社は現在、5機の衛星を運用しています。今年は新たに7機の次世代地球観測衛星を打上げる予定で、現在その準備を進めています。この7機が加わることで、撮影能力は現在の3倍以上に向上します。

これまでの5機体制では、応えきれなかったニーズがありました。しかし、新たに7機を追加することで、より高頻度かつ安定的に地球観測データを提供できる体制が整います。この増強により、当社は地球観測の利便性を大きく向上させ、お客さまの期待にこれまで以上に応えていきたいと考えています。

AxelGlobe事業の成長:①民間企業へ顧客層拡大

中村:撮影能力を強化するとともに、新たなニーズの開拓にも取り組んでおり、新興国、特にアフリカでのニーズの創出および獲得を戦略上重要な活動と位置づけています。引き続き、中長期的な市場創出に取り組んでいきます。

AxelGlobe事業の成長:②安全保障需要の獲得

中村:当社の今後の成長において極めて重要なことが、安全保障案件の獲得です。2月20日には、防衛省の大型案件の契約締結を発表しました。この案件の事業規模は2,831億円であり、当社は光学衛星画像の提供者として、5年間で436億円を上限として売上高に計上する予定です。

このように、AxelLiner事業とAxelGlobe事業は、それぞれの戦略に基づいて事業を拡大していきます。事業戦略に関するご説明は以上です。

短い時間で多くの内容をお伝えしましたので、ご理解が難しい部分もあったかもしれません。当社をご理解いただけるよう、IRサイト、「note」、SNSで情報発信に努めていきますので、ぜひご覧ください。ご清聴いただき、ありがとうございました。

質疑応答:2つの事業を運営している理由とAxelLiner事業開始の背景について

1UP投資部屋Ken氏(以下、Ken):個人投資家の1UP投資部屋Kenです。私からいくつか質問します。よろしくお願いします。

まず、2つの事業を行っている理由について、もう少し詳しくうかがいたいです。2022年にAxelLiner事業を開始された背景について、

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