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サイバーリンクス、業界特化×シェアクラウド×AIで 2030年度経常利益30億円へ、2025年度比+61.5%
目次

東直樹氏(以下、東):株式会社サイバーリンクス代表取締役社長の東です。本日はご参加いただき、誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。本日は、スライドの流れに沿って、当社についてご説明します。
企業プロフィール

東:会社概要をご紹介します。当社は1964年に設立し、今期で63期目を迎えています。和歌山市に本社を構え、子会社2社を含めて903名の従業員が在籍し、全国に向けてサービスを展開しています。
坂本慎太郎氏(以下、坂本):質問を挟みながら、おうかがいしていきたいと思います。御社の創業のきっかけや簡単な沿革について、もう少し教えていただけますか?
東:当社は、テレビの組み立てや修理を出発点として事業を開始しました。この技術が評価され、1964年に当時の松下通信工業の代理店として、官公庁向けの通信制御システムの販売・保守を始めました。
その後、流通小売業向けのネットワーク型POS情報処理事業およびモバイルネットワーク事業を展開し、2021年度からはトラスト事業を開始しています。
経営理念

東:経営理念は「気高く、強く、一筋に」です。特に特徴的なのが「気高く」の部分です。「事業とは崇高な社会活動である」という意味が込められています。この理念のもと、IT技術の力で、より便利で豊かな社会の実現を目指しています。
ビジネスモデル

東:当社のビジネスモデルである「シェアクラウド」についてご説明します。「シェアクラウド」は、複数の企業が1つのクラウドシステムを共有することで、効率的かつ低コストでサービスを利用できるモデルです。
お客さまに提供できる価値は非常に大きく、エンジニア不足の解消、常に最新のシステムが利用可能であること、高額な投資が不要であることなど、多くのメリットがあります。このモデルにより、毎月安定的に積み上がるストック型収益が生まれ、当社の成長の基盤となっています。
坂本:「シェアクラウド」サービスについて、スライドにはハードもソフトも共同利用と記載されています。共同利用できるソフトとは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか? また、なんでも共同利用できるのかという点を含めて教えてください。
東:流通クラウド事業では、主力の食品小売業向け基幹業務システム「@rms(アームズ)」をはじめ、食品スーパーの業務を網羅するサービスラインナップを「シェアクラウド」で提供しています。
個社特有の特殊要件を大量にカスタマイズする場面には向いていませんが、標準化可能な業務は低コスト、常時最新、運用要員不要で対応できるというメリットがあります。
「SaaSの死」に対する当社見解

東:昨今の生成AIの急速な進化により、「SaaSの死」という議論が一部で見受けられますが、当社の見解をお伝えします。
当社の主力サービスは、課金体系が基本的に店舗数や取引先数といった業務規模をベースとしていること、そして長年業界に特化して構築した複雑な業務プロセスを一気通貫で支えるサービスであることから、生成AIによる代替が容易ではない領域であると考えています。
仮にAIでシステムを構築できたとしても、企業自らがシステムの運用や保守、セキュリティ対策などを継続的に実施することは、コスト面でもリスク面でも非合理的です。
AIで構築可能であることと、長年にわたり安定的に運用し続けることは、まったく別の問題と考えています。むしろ、生成AIを積極的に取り入れることで、サービスの競争力をさらに高めていきます。
坂本:「SaaSの死」とは、単一のサービスがAIに置き換わるというものであるため、影響を受けるサービスもあると考えられます。
しかし、御社の場合、スライド右下の図をご覧いただければわかるように、1つのシステムを多くの人がさまざまなかたちで利用しています。そのため、これをAIに置き換えるというのは容易ではないと考えます。
どちらかというと、米国企業において基幹システムを扱っている会社は安全だという見解です。御社の場合は、基幹システムを中心に多用途なシステムであることから、その部分は少し異なるという理解でよろしいでしょうか?
東:おっしゃるとおりです。
事業概要

東:このビジネスモデルを基盤に、現在4つの事業を展開しています。1つ目は流通クラウド事業です。食品流通業界に特化したクラウドサービスを提供し、スーパーや卸売業の業務効率化を支援しています。
2つ目は官公庁クラウド事業です。全国の自治体向けにDXサービスを展開し、行政手続のデジタル化や住民サービスの向上を支えています。
3つ目はトラスト事業です。2021年度に開始した事業で、電子証明書の発行サービスなど、デジタル社会における信頼の基盤を支えています。
4つ目はモバイルネットワーク事業です。NTTドコモの二次代理店として、和歌山県内でドコモショップを運営しています。地域に根ざした通信インフラを支え、安定収益事業となっています。
これらの事業はすべて、人々の日常生活に欠かせない領域を中心に展開しており、景気変動に強いポートフォリオとなっている点が特徴です。
業績推移

東:これらの事業がどのような業績を生み出しているのか、業績推移をご紹介します。スライドのグラフでは、薄い水色が売上高、濃い青色が定常収入、いわゆるストック収入を示しています。そして、オレンジ色の折れ線が経常利益を示しています。
当社では、定常収入を最重要指標として位置づけています。ご覧のとおり、定常収入は毎年着実に積み上がり、売上高と利益の右肩上がりの成長を力強く支えています。
この間、リーマンショックやコロナ禍など、社会経済に大きな影響を及ぼす局面もありましたが、生活インフラを支える領域を中心とした事業構成により、景気変動の影響を受けにくく、安定した成長を維持することができています。
この成長をさらに加速させるために、先日新たに公表した中期経営計画があります。
坂本:流通クラウド事業において、食品流通業に特化したクラウドサービスが売上の約30パーセントを占めているとのことでした。こちらの強みについて、ポイントを教えていただきたいと思います。
東:2005年頃に食品流通業向けのサービスをスタートしました。その後、業界特化型のシェアクラウド型サービスを提供し続ける中で、業務知識を深く理解し、ノウハウを継続的に蓄積することで、サービスにも反映させつつ、顧客との信頼関係を構築してきました。
現在、「@rms」を中心に、食品流通業界の業務を網羅するフルラインのクラウドサービスを展開しています。全国のスーパーの約3割、加工食品卸の上位10社のうち8社に当社のサービスをご利用いただいています。
システム投資コストを圧縮しつつ、継続的なアップデートで常に最新のシステムを提供しており、人手不足、原価高騰、IT要員確保の難しさといった業界の課題にも対応しています。
坂本:社数も多い業界なので、利用される会社も多いという印象です。
ビジョン(目指す姿)

東:今回新たな中期経営計画を策定するにあたり、私たちの目指す姿として「人々の豊かな暮らしに貢献し、誰からも選ばれるITカンパニーへ。」というビジョンを定めました。
すべての事業がより豊かな暮らしの実現に貢献し、顧客、従業員、投資家のみなさま、そして地域社会から選ばれる存在でありたいという思いを込めたものです。
このビジョンの実現に向けて、中期経営計画では事業戦略、人的資本投資戦略、財務・非財務戦略の3つの経営戦略を策定しました。
中期経営計画 業績目標

東:本日は、事業戦略を中心にご紹介します。スライド左側にはセグメントごとのビジョンを記載しています。これを実現することで、2030年度に向けた持続的な成長を図ります。
中期経営計画の最終年度である2030年度の業績目標は、スライド右側に記載のとおりです。売上高221億円(2025年度比プラス22.1パーセント)、定常収入126億円(2025年度比プラス44.8パーセント)、経常利益30億円(2025年度比プラス61.5パーセント)と、いずれもこの5年間で大きく成長する計画です。
中期経営計画 事業ポートフォリオマップ

東:スライドは、事業別の5年間の成長を示したポートフォリオマップです。横軸は売上高(事業規模)、縦軸は経常利益率(収益性)、バブルの大きさは経常利益額(収益貢献)を表しています。
青色の流通クラウド事業は、2025年度から2030年度にかけて、事業規模、収益性、経常利益額のいずれも大きく拡大する計画です。経常利益は7億円から18億円となり、4事業の中で最も利益を押し上げるエンジンとなります。
緑色の官公庁クラウド事業も着実に成長する見込みです。紫色のトラスト事業は、2025年度時点では赤字ですが、この5年間で黒字化し、高収益事業へと育成する計画です。
赤色のモバイルネットワーク事業については、市場環境が厳しいものの、業務効率化などを図りつつ、定常収入の維持を目指します。
流通 | 市場環境と解決したい課題

東:今後最も成長が期待される流通クラウド事業についてご説明します。
流通クラウド事業は、食品流通業界に特化したクラウドサービスを提供しています。現在、食品流通業界では人口減少を背景に市場全体の縮小が懸念されています。特に中小規模の小売業は減少傾向にあり、さらに深刻な人手不足や人件費をはじめとするコスト上昇が大きな課題となっています。
このような環境の中で、当社は、食に関わるすべての企業が時代の変化に取り残されず、本来の企業活動に専念できる世界を実現し、日本の食の豊かさを守ることを目指しています。
坂本:御社のシステムについて、中小や大手スーパーも含め、現時点でのシェアはどのくらいあるのでしょうか?
また、非常に小さい店舗は導入の対象外だと思いますが、その可能性や対象となり得る店舗数はどのくらいでしょうか? ざっくりとした数字でかまいませんので、お聞かせいただければと思います。
東:現在、300億円未満の市場において、店舗数や社数ベースで、いずれもおおよそ15パーセントのシェアかと思います。
流通 | 業界ポジション

東:当社が業界で担うポジションに関して3点お伝えします。
1つ目は、当社が食品流通業に特化したクラウドサービスを提供する唯一の企業であるという点です。ターゲットを食品流通業界に絞り込むことで、お客さまの業務を深く理解し、他社が追随できない高品質で専門性の高いサービスを実現しています。
2つ目は、全国の食品スーパーの約30パーセントが当社のいずれかのサービスをご利用いただいているという点です。業界に広く浸透し、基盤的な存在となっています。
3つ目は、加工食品卸売業の上位10社のうち8社に当社のサービスをご利用いただいているという点です。当社サービスが業界標準として評価されているといっても過言ではありません。
このように、食品流通業界と非常に深い関係を築き、独自性のある強固なポジションを確立しています。
流通 | 対象領域

東:サービスを提供している領域についてご説明します。スライドの図は、生鮮食品と加工食品それぞれの流通経路を示したものです。当社は、特に赤色で示された食品小売業と青色で示された食品卸売業の領域を中心にサービスを展開しています。
流通 | 導入実績

東:一部のユーザーさまをご紹介します。スライド左側の食品小売業向けサービスでは、食品スーパーを中心に展開していますが、近年ではドラッグストアなど他業種への展開も加速しています。
食品卸売業においては、業界の大手企業に広くご利用いただいており、メーカーへの導入も拡大しています。
流通 | 食品小売向けサービス

東:当社が提供しているサービスをご紹介します。食品小売向けサービスです。スライドには、主要なサービスのみを記載しています。
中でも主力のサービスが、スライド左上の基幹システム「@rms」です。発注・仕入・在庫・売上管理など、食品スーパーの業務サイクルを担う中心的なシステムです。2024年には新バージョンの「@rmsV6」を投入し、中大規模への展開を進めています。
「せんどねっと」は、生鮮食品に特化した受発注システムです。「@rms自動発注」は、AIを搭載した需要予測型サービスで、2024年にリリースしました。「BXNOAH」は、卸との間で加工食品の受発注データを受け渡す仕組みです。
このように、食品スーパー業界全体をカバーする豊富なサービス群を揃えています。
坂本:ここまで、御社のビジネス、業界の環境、主力商品についてお話しいただきました。しかし、食品に限らず流通過程についてはイメージが湧かない方も少なくないと思います。
食品の場合、川上から川中、川下へと流れていく過程があり、食品メーカー、卸、小売といった流れになるかと思いますが、その中で御社はシステムを主に提供されている企業だと認識しています。
「流通クラウド」という言葉がお話の中で出てきましたが、これだけではイメージが湧かない方も多いのではないかと思います。私たちがスーパーで買い物をする時に、御社のビジネスシステムが具体的にどのように関わっているのか教えてください。
東:スーパーに行くと、商品が並んでいます。その中から商品を選んでレジに向かい、POSと呼ばれる商品管理のシステムを使用します。例えば、ご自身で商品をスキャンする場面を思い浮かべていただければわかりやすいかもしれません。
その際、売れた商品を補充するために商品の仕入れや売り場作り、商品の配置やレイアウトを決定する業務、さらに「何が何個の在庫としてあるのか」という在庫管理システムを活用して、裏側の業務を支援しているというイメージを持っていただければと思います。
流通 | 食品小売向け事業戦略(プロダクト開発方針)

東:当社が競争優位性をさらに高めるための4つのプロダクト開発方針をご紹介します。
1つ目は、AIをサービスに組み込み、「判断の自動化」を推進します。現在、スーパーの本部や店舗で人が行っている判断業務を、AIが支援し、最適化するAIアシスト機能を実装することで、業務効率化や生産性向上を実現していきます。
2つ目は、セキュリティ対策を強化し、競争力を向上させることです。昨今のランサムウェア被害の増加や激甚災害の多発に対応し、セキュリティや災害に対する耐性を強化することで、「安心」を付加価値として高め、他社との差別化を図っていきます。
3つ目は、原価高騰への対策を推進し、価格競争力を強化していきます。「VMware」をはじめとするサービス提供に必要なソフトウェアの急激なコスト上昇に対応するため、オープンソースの活用を推進します。
高品質なサービスを低価格で提供し続けるため、外部環境の変動に左右されない体質を目指します。
4つ目は、生成AIの導入による開発生産性の向上に取り組みます。生成AIの進化を積極的に活用し、少人数でも高品質かつ高速な開発を実現することで、より良いサービスをより早く提供することを目指します。
流通 | 食品小売向け事業戦略

東:これらの戦略を踏まえた、今後のサービス展開についてご説明します。主力サービスの基幹システム「@rms」については、年商300億円以上の中大規模市場への展開を進めます。
従来バージョンの「@rmsV3」では、主に年商300億円未満の企業をターゲットに高いシェアを獲得してきましたが、新バージョンの「@rmsV6」により、中大規模市場での存在感を高めていきます。
中大規模市場は、企業数こそ多くないものの、1社あたりの店舗数が多く、M&Aによる拡大など今後の成長が見込める領域です。従来のターゲットである中小食品スーパーをしっかり支えながら、今後は中大規模市場への展開を進めることで収益性の向上を図ります。
先ほどご紹介した「BXNOAH」などの一部周辺サービスについては、食品スーパーに限らず、ドラッグストアやホームセンターなど食品以外の小売業にもすでに展開が進んでいますが、今後さらに拡大していきます。
流通 | 食品卸向け事業戦略

東:食品卸売業向けに展開している「クラウドEDI-Platform」のサービスについてです。スライドの図は、スーパーなどの小売業者から卸業者への発注を模式的に表しています。
スライド左側が従来の手法で、例えばスーパーが卸業者に缶詰を100個注文する際でも、電子メールやFAX、独自の注文システムなど、企業ごとに異なる手段で注文を行っていました。そのため、卸業者はさまざまな手段で届いた注文を個別に処理する必要があり、大変な作業を強いられていました。
当社のサービスでは、スライド右側の図のように、小売業者から届くさまざまな形式の注文をまず当社がすべて受け取り、それを統一フォーマットに変換して卸業者に渡します。そうすることで、卸側は1つのフォーマットに対応するだけで済み、人手やコストを大幅に削減できます。
この仕組みは卸売業にとって非常に大きなメリットがあり、業界から強い支持を得ています。
流通 | 食品流通業界全体向け事業戦略

東:食品流通業界全体に向けた展開についてご説明します。「C2Platform」は卸・小売・メーカー間で行われる商談を支援する仕組みで、食品流通のサプライチェーン全体を効率化します。
食品流通業界では、季節商品などによって商談件数が非常に多くなります。商談に関わる見積書の発行や商談成立後の商品データの登録は、基本的に個社ごとに異なる手順で行われており、その多くが手作業で行われているのが実情です。
当社はこの領域を標準化・自動化するデジタル基盤を整備し、小売・卸・メーカー間で行われる商品の提案、見積もり、採用システムへの商品データ登録といった一連の流れを、すべてこのプラットフォーム上で完結できるようにすることを目指しています。
この取り組みには業界全体のコンセンサスが必要であり、一朝一夕に実現するものではありませんが、卸売業・メーカー間では、日本加工食品卸協会と共同で普及に取り組み始めています。
小売業では、ライフコーポレーションに利用価値を認めていただき、本格的に活用されています。このように、サプライチェーン全体の効率化やDXにも取り組んでいます。
官公庁 | 市場環境と解決したい課題

東:官公庁クラウド事業についてご説明します。官公庁クラウド事業の主なターゲットである自治体を取り巻く環境は、人口減少や災害の多発など、年々厳しさを増しています。
その中で自治体は、職員数の減少や財政難といった制約を抱えつつも、住民サービスの維持向上や災害への対応力の確保が求められています。
こうした課題に対して、当社はクラウドとAIの力を組み合わせ、自治体業務の効率化と住民の利便性向上を追求し、持続可能な安心・安全な社会の実現を目指しています。
官公庁 | 事業戦略

東:官公庁クラウド事業では、成長ドライバーである全国クラウドサービスと、安定収益基盤である地域密着サービスの2軸を通じて、成長と安定を両立させています。全国クラウドサービスでは、文書管理の「ActiveCity」やオンライン手続きが可能な「みんなの窓口」などのサービスを展開しています。
これらのサービスは、コロナ禍を契機に高まった自治体のDXニーズに応え、今後ますます成長が加速していくと見込まれます。
地域密着サービスでは、防災システムや基幹業務システム、庁内ネットワークの構築などを手掛けています。和歌山県内では圧倒的なシェアを有し、大阪府や奈良県といった周辺地域にも強固な事業基盤を築いています。
官公庁 | 地域密着サービス

東:具体的なサービスの紹介です。地域密着サービスについてお話しします。地域密着サービスは、防災系システムと情報系システムの2つに分類されます。
防災系システムでは、ダムや河川などの監視システム、市町村防災無線の整備・保守を行い、地域のみなさまが安心・安全に暮らせるまち作りをサポートしています。
情報系システムでは、住民情報管理システムの構築や、自治体庁内ネットワークのセキュリティ確保などを担っています。これらにより、住民情報や行政データの保護、ネットワークの安定稼働を実現し、行政業務の円滑化に貢献しています。
官公庁 | 全国クラウドサービス<Active City>

東:全国クラウドサービスについてです。現在、最も成長が加速しているサービスである文書管理システム「ActiveCity」についてご説明します。
「ActiveCity」は、これまで紙で行っていた、自治体の決裁や文書管理をデジタル化するものです。導入団体数は130団体を超えるまでに成長しました。大型案件の受注も進んでおり、全国展開が着実に進行しています。
昨年AI技術を持つ企業を取得しており、「ActiveCity」にAI技術を組み合わせることで、文書検索の大幅な効率化を図ります。これにより、競争力をさらに強化していきます。スライドに示したグラフのとおり、定常収入は右肩上がりで成長しており、中期経営計画の成長を支える重要な柱となっています。
全国には約1,700自治体ありますが、デジタル化が進んでいない団体がまだ多く存在しており、今後の成長ポテンシャルを秘めた大きな市場と見込まれます。
官公庁 | 全国クラウドサービス<みんなの窓口>

東:「みんなの窓口」です。みなさまも市役所での相談や申請といった手続きを行う際には、窓口まで足を運ばなければならない場面が多いかと思います。
当社が提供する「みんなの窓口」は、「書かない・行かない」というコンセプトのもと、マイナンバーカードを活用して本人確認を伴う相談や申請をオンラインで完結できるサービスです。
政府が推進するデジタル社会の実現に向けた重点計画でも、オンライン手続きの普及が求められています。「みんなの窓口」は、まさにその政策の追い風を受けているサービスです。今後はAIを組み込むことで、さらに機能を強化し、自治体業務の効率化を一層推進していきます。
トラスト | 市場環境と解決したい課題

東:トラスト事業についてご説明します。トラスト事業の市場環境について、デジタルトラストの方向性は、従来の中央で一括管理する仕組みから、一人ひとりが自身の情報をコントロールできる仕組みへと移行しつつあります。
これらのサービスは非常に便利ですが、個人情報漏洩のリスク、なりすましや改ざんの可能性、管理体制の不透明さといった不安も増加しており、自分のデータを預けすぎているのではないかという懸念が世界的に広がっています。
一方で、世界が求めているのはWeb3.0の世界です。プラットフォーマーに依存せず、自分のデータを自分の意思で必要な相手にのみ提供できる仕組みを指します。欧州各国や日本でも、この方向性に合わせて規制や法整備が進んでいます。
この世界を実現するために必要不可欠な技術があります。必要最小限の情報だけを必要な相手に提供する仕組み「デジタルID」です。
加えて、紙の証明書をデジタル化し改ざんができないようにする技術である、第三者が本物かどうかを検証するデジタル証明書「VC」、オンラインで高度な本人確認を実現する「eKYC」です。
トラスト | 当社の要素技術・サービス

東:当社の技術やサービスについてご説明します。当社は2017年に公的個人認証サービスにおいて総務大臣認定を受けました。それ以降、マイナンバーカードを利用した高度な本人確認を強みに持つ「マイナストラスト電子委任状」や電子契約システム「マイナサイン」を提供してきました。
2022年にはブロックチェーンを活用したデジタル証明書発行サービス「CloudCerts」を取得し、「TOEIC」公式認定証や薬剤師資格証のデジタル化に採用されるなど、社会的にも大きなインパクトを与える導入実績を積み重ねています。
2025年には国家資格の審査システムの開発を受託し、人・物の証明、職務権限の証明、能力や価値の証明など、多様な証明をデジタルで実現するサービス領域を広げてきました。
これらの取り組みを通じて、脱プラットフォーマー依存社会、いわゆるWeb3.0の世界に必要な要素を充実させてきました。ここまでで、当社の技術基盤と実績がご理解いただけたかと思います。
トラスト | 将来的な事業構想

東:この強みを活かし、当社が目指すトラスト事業についてご説明します。スライドでは、デジタル上での人や物の証明や視覚情報の証明といった、いわゆるデジタルトラストの一連のフローを示しています。
この中で、デジタル証明書発行サービス「CloudCerts」が担っているのは、デジタル証明書VC発行の部分です。VCとは、属性情報を第三者によって検証可能なデータ形式とし、データの改ざんができないデジタル証明書のことです。
当社は現在、申請・受付から本人確認、審査、証明書発行、有効性管理、保有・提出、検証といった一連の機能を構築しています。
今後は、受付から発行、さらに検証まで、すべてのプロセスを一気通貫で実装し、「Web3.0型 デジタル証明」を社会インフラとして成立させるサービス基盤の構築を目指します。
モバイル | 市場環境と解決したい課題

東:モバイルネットワーク事業についてご説明します。モバイル市場では少子高齢化が進行するにつれて、端末販売台数が長期的に減少する傾向があります。
また、オンライン手続きの普及が進むにつれて、従来の店頭の役割が変化してきています。このような環境の中で、当社は誰もがデジタル技術の利便性を享受できるよう、地域のお客さまをサポートすることを目指しています。
モバイル | 事業戦略

東:具体的な取り組みとして、生活をサポートする店舗への進化、地域におけるデジタル支援への取り組みの推進、そして店舗運営における生産性向上に取り組んでいます。
人的資本投資戦略

東:従業員に選ばれるIT企業を目指すための人的資本投資戦略についてご説明します。
当社が認識している主な課題は、長時間労働、教育体系の未整備、人材確保の難しさ、生産性の向上です。これらの課題に対して、働く環境の改善、育成、採用、組織の活性化、人事制度の5つの切り口から取り組みます。
すべての社員が健康で豊かに、効率よく働ける職場の実現を目指します。具体的な施策については、公表済みの中期経営計画に記載しています。本日は時間の関係上、省略しますが、別途資料をご確認いただければ幸いです。
財務戦略 | 資本コストや株価を意識した経営 現状分析

東:投資家のみなさまに選ばれるための財務戦略についてご説明します。資本コストや株価を意識した経営の出発点として、PBR、ROE、PERの分析を行いました。
坂本:こちらは、かなりチャレンジングです。チャレンジングといっても、業界の中で標準以上のROEを目指していくというかたちですね。
東:おっしゃるとおりです。2025年度の実績ベースのPBRは1.7倍と、1倍は上回っていますが、スタンダード市場上場の情報通信業界全体の平均2.6倍と比べると、非常に低い水準です。
ROEは15.3パーセントで業界平均を上回る一方、PERは10.8倍と業界平均を大きく下回っています。2030年度の目標として、PBRは2.2倍以上、ROEは13.0パーセント以上、PERは17倍以上を掲げています。
ROE向上に向けた施策として、事業成長に伴う利益拡大に加え、財務戦略として余剰現預金の抑制、累進配当の継続、配当性向の引き上げなどに取り組みます。PER向上のためには、IR活動の強化と株主還元の強化に取り組みます。
財務戦略 | 株主還元

東:株主還元の方針として、成長投資に必要な内部留保を確保しつつ、業績向上やキャッシュフローの改善に応じて、配当性向および1株当たりの配当額の引き上げを行います。
この方針のもと、2025年度には配当額を17円から30円に、2026年度にはさらに35円に増配することを目指しています。引き続き、積極的な投資とともに株主還元の強化にも取り組んでいきます。
坂本:増配に対して、非常に積極的に取り組まれています。2025年度が30円、2026年度が35円、そして2030年度には60円超を目指すというロードマップとなっています。
2030年度に至るまでの2027年度から2029年度の配当は段階的に増やしていくのでしょうか? 30円台、40円台と進んでいき、最終的に60円を目指すかたちとなるのでしょうか? もちろん先の話であり、配当もあくまで予想の範囲内ですが、イメージを教えていただければと思います。
東:当社は、中間年度の年次目安を個別には公表していませんが、基本方針としては累進配当の継続と配当性向の引き上げを進める考えです。配当性向は30パーセントを目安としており、利益成長に応じて配当金額も引き上げたいと考えています。
坂本:2025年度からの増配について、配当性向の方針をしっかりとお持ちであることは理解していますが、利益の増加が最大の要因と考えてよいのでしょうか?
東:おっしゃるとおりです。
坂本:配当性向が一定でも、今後利益が増加すると配当も増加する見込みであり、それは非常に良いことだと思います。
続いて、キャッシュアロケーションの部分についてご説明をお願いします。御社は、営業キャッシュフローが貯まるかたちになっているとのことですが、この使い道については成長投資が中心です。
このようにきちんと分解して記載している会社は少なく、投資家として非常にありがたいと感じています。この点について、詳しくご説明いただけますでしょうか?
財務戦略 | キャッシュアロケーション

東:本日ご説明する成長投資を支える5ヶ年のキャッシュアロケーション計画についてお話しします。
キャッシュインとして、5年間の営業キャッシュフローを約140億円と見込んでいます。この140億円は、人的資本投資や研究開発投資といった将来の成長に向けた積極的投資に関わる支出を差し引いた後の数字です。
この原資を株主還元、固定資産投資、本社新築移転費用などに分配した上で、約52億円をM&Aを含む成長投資に充てる計画です。資本効率と財務健全性のバランスをとりながら、企業価値の最大化を目指していきます。
業績計画 | 売上高・定常収入

東:業績計画の概要をご説明します。売上高および定常収入については、流通クラウド事業、官公庁クラウド事業、トラスト事業が強力に定常収入を積み上げ、2030年度には売上高221億円、定常収入126億円を目指します。
業績計画 | 経常利益

東:経常利益について、2026年度は増益を計画しています。2027年度については、官公庁クラウド事業における特需案件の剥落により、一時的に利益が減少する計画となっています。
2028年以降は、流通クラウド事業、官公庁クラウド事業、トラスト事業の成長により増益が見込まれます。2030年度には、30億円の経常利益を目指します。
ビジョン(目指す姿)

東:最後にあらためてお伝えしますが、私たちは人々の豊かな暮らしを実現することを目指しています。お客さま、従業員、投資家のみなさま、そして地域社会から選ばれる会社へと成長していきますので、どうぞよろしくお願いします。ご清聴ありがとうございました。
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